オシャレなオフィスデザインの基準を決める適任者選びとは?

確かに話題になっているオフィスは、GoogleやApple社、Microsoftなど、かっこよくておしゃれで遊び心にあふれたデザインです。そんなおしゃれデザインのオフィスの基準は、一体どこにあるのでしょう。今回は、おしゃれなオフィスのアイディアを出してくれそうな人とはどんな人なのかを考察します。

目次

1.適任者を選ぶ基準とは?

まずは、おしゃれなオフィスとはどういうものなのかをおさらいしましょう。

おしゃれオフィスは人材を連れて来る

最近の傾向として、オフィスとは思えない、ハイセンスな空間で働くことを希望する求職者が増加しています。企業訪問や取引先の来訪などで、話題に上るケースも少なくなく、自らおしゃれなオフィスをサイトや、場合によってはメディアを使ってまで宣伝することもあります。おしゃれなオフィスにすることによって、定着率を高める働きもあります。トレンドの場所で、トレンドのオフィスデザインに出入りする自分を想像すると、働く意欲も湧くのかもしれません。

コミュニケーションの活性化

最近のオフィスデザインの傾向では、あえて余剰空間をつくります。デスク間隔をゆったりと取り、開放感を出すために、パーテーションを取り払います。また、リラックススペースを業務スペースの中につくり、ちょっとした打ち合わせはそこでできるようにしています。リラックススペースによって、スタッフ同士の交流が盛んになり、仕事がスムーズに進み、情報交換なども活性化します。

従業員満足度の向上

最近は、従業員の満足度の向上をかなり意識したデザインになっています。おしゃれなオフィス空間は、従業員のプライドをくすぐり、そこで働くという満足度を増加させる働きがあるようです。

また、一昔前の殺伐としたオフィス風景は、現在の若者にとって魅力的ではありません。賃金の高さや好きな仕事よりも、労働環境にウェイトを置いて企業を選ぶ傾向があるからです。

実際、おしゃれなビルのおしゃれオフィスになって、女性たちはファッションのレベルが上がり、メイクも抜かりなくなったということが、多々あるようです。男性にとっても、スーツを変えた、靴を変えたなど、自分をそのデザインオフィスに合わせて高めようとする傾向があるといいます。

カフェ・バースペース

最近のおしゃれなオフィスには、カフェは当たり前、バースペースまであります。昼はカフェ、夜はバーとなっており、スタッフの福利厚生の一環となっているようです。
ランチはもちろん、夕食、アルコールが入る打ち合わせも可能です。雰囲気は、オフィスの食堂とは思えない内装。照明もオフィスとは思えない、暗めでムーディーな照明となっています。
ランチの混雑を避けるために、おしゃれなカフェを作ったところ、そのおしゃれな車内カフェでビュッフェランチを食べようと社員が殺到し、結局混んでしまっているということも起きているようです。

フリースペース

IT系やクリエイティブ系の企業を中心に、社内にフリースペースを設けるケースが多くあります。デスクや椅子などをゆったりと配置し、スタッフで雑談したり、アイデアや構想を練るような利用法が挙げられます。

ハイセンスな社内風景を社外の人が目の当たりにすると、会社のブランディングも高まります。さらに新商品・サービスなどのマスコミを集めて行う記者会見スペースにも活用できます。

・スケルトンタイプの天井
オフィスデザインの傾向として、最近ではスケルトンタイプの天井が注目されています。店舗デザインにこだわった飲食店、美容室、アパレルの店舗などでよく目にすることも多いかと思います。天井を取り払うことで、今風のおしゃれな空間を演出できる便利な方法です。天井高が確保でき、開放感が高まります。

モダンアート的な感覚で、現代建築を取り入れたミュージアムのような雰囲気も漂います。社内の環境の整備による「居心地の良さ」が、雇用の定着や促進に大きな影響も与えます。美的感覚を研ぎ澄ました社内に、勤労意欲も高まります。

社内のカフェスペースやバースペースにも取り入れられています。このデザインにしたことで、これまで会見やインタビューを会議室で行なっていたものを、写真映えがするということで、カフェスペースで行うことが増えたという企業もあります。

・マグネットスペース
最近のオフィスデザインを考えるうえで、コンセプトの主流になっているのが「マグネットスペース」です。ここ数年でよく耳にする言葉ですが、磁石に吸い寄せられるように人が集まることを意味しています。マグネットスペースとであげられるのは、女性同士の社内交流の場となる給湯室やコピー機周りなどです。このエリアで雑談や社内情報の交換などが行われています。

給湯室やコピー機では集まる人が限定されますが、自動販売機やカフェコーナーなどを設置し、小休憩できるようなスペースを設置することで、誰でも気軽に集まれるような場所が出来上がります。

・オフィスのIT化
働き方改革の推進により、時間と場所を問わないモバイル・ワーカーのようなワークスタイルがオフィスでも定番化されつつあります。

現在の大半のオフィスは、高度なセキュリティ機能を備えたWi-Fiなどの通信インフラが整備されています。これによって、部署によるデスクや椅子の固定化という概念がなくなり、社内を横断的な感じで仕事ができるようになりました。

社内、社外のどこでも仕事ができるということで、社内にもおしゃれな様々なワークスペースを設置することが可能です。自分の気分やお気に入りの場所で仕事をすることで、効率の向上も期待できます。在宅やサテライトオフィス、カフェなどでの作業を可能にすることで、福利厚生に一助にもなるでしょう。もちろん、それぞれがおしゃれなスペースであることが必須です。

さて、これらの「おしゃれなオフィス」のトレンドを押さえている人物が、基準と言えます。最近の若者のトレンドや、SNSの拡散に長けていて、常に意識が高い、「かっこいい」ことに敏感な人物なら、おしゃれの基準を明確に持っているのではないでしょうか。

昭和生まれで古いタイプのオフィスデザインが落ち着くという人物では、今時のおしゃれなデザインを想像することが難しいかもしれません。実際、40代と20代では、美意識も価値観も違います。

オフィスの狙いに合わせてデザインすることももちろん必要ですが、例えば人材を増やしたい、定着率をあげたい、若い人材や有能な即戦力が欲しいというのであれば、トレンドに敏感で、いわゆる「意識高い系」の人物が選ぶデザインを基準にすることで、欲しい人材が集まるオフィスデザインになりそうです。

2.男性か女性か?年齢層は?

では、性別と年齢層はどうでしょう。欲しい人材は定着率を高めたい年齢層にもよりますが、狙う年代と同年代がよいでしょう。具体的には、20代、30代、40代前半の意見を聴きたいものです。

次に、性別はというと、デザインを考えるチームに必ず女性を配置することが大切です。特に、女性にとってお手洗いについてはデリケートな問題なので、使い勝手や場所が悪くてもいいづらいことがあるでしょう。女性の悩みは、男性にはわかりづらく想像できないものです。女性がいれば、デスクとお手洗いを離す、パーテーションで仕切る、音が気にならない工夫をするなどの意見を反映することができます。

営業などの外回りと、オフィスワーク、クリエイティブなどの業務の違いでも快適のポイントは違います。この場合は、コミュニケーション重視か、プライベートな空間の必要性など、どちらも考慮したレイアウトを考えることが必要です。

スタッフの中にクリエイティブな業務を専門とするスタッフがいる場合、集中できるスペース確保を考えましょう。パーテーションで仕切った空間を作ることが難しい場合は、サテライトオフィスや在宅勤務など、働き方の選択肢を広げる必要が出てくるかもしれません。

さらには、おしゃれに関心が高い人がよいでしょう。つまり、自分をいつ何時でもおしゃれに見せたいと考えている人です。彼らは、自分をかっこいい、素敵だと見せるために、何が必要なのかを知っています。

おしゃれな人は、おしゃれな色使いを知っています。オフィスの色使いは、自分を引き立ててくれる小物のひとつとなります。フリースペースのクッションひとつとっても、自分が座った時に素敵に見せてくれる色合いを探してくれるでしょう。

小物や靴にこだわる人がおしゃれだといいますが、自分が身につけるものだけではありません。それは、自分を取り巻くものすべてが自分を引き立てるものと考えています。おしゃれな人は、おしゃれな人と一緒にいることが多く、無頓着な人と始終一緒にいることは少ないものです。それは、お互いがお互いを引き立てるからです。

おしゃれなオフィスは、自分のファッションを引き立てる大切な環境です。おしゃれなスペースに身を置くことで、さらに自分がかっこよく見えることを重要視します。そういった人が、オフィスをおしゃれにしたいということには、率先してアイディアを出すはずです。

また、オフィスデザインを考える時、オフィスのボスにあたる人物はアドバイスにとどまることが懸命です。管理者は、どうしても管理しやすい、自分がまとめやすいデスクの配置にしがちです。ボスの意見に反対意見は伝えにくく、管理者だけが満足するオフィスデザインになってしまっては本末転倒です。おしゃれオフィスの中心はスタッフです。スタッフが快適であるおしゃれなオフィスが、結果的にスタッフを高めるオフィスとなることを忘れてはいけません。

3.理想の適任者の仮説を立ててみた


例えば、IT企業でオフィスの移転があるとしましょう。これまでは昭和の頃から存在するビルにいましたが、老朽化のために新しいビルへ移転します。人材流出を防ぎ、さらに働き方改革の一環で社員の福利厚生を充実させるために、新たなデザインのオフィスにしたいと考えています。特に、人材流出や人材確保には危機感を感じており、GAFAに負けない、自社のブランドを向上させるオフィスデザインにしたい考えです。

これまでは、総務部と上層部がオフィスのデザインを考えていましたが、今回は社員の要望をデザインに反映させるため、各部署から新オフィスプロジェクトチームを選ぶことにしました。

・広報:30代女性
トレンドのオフィスデザインや、ライバル会社のマーケティングに詳しい。常に見られていることを意識しており、自社もGAFAのようなオフィスにしたいと日頃から思っていた。出来る女性と思われていることを知っている。靴とバッグにお金をかけ、ランチは栄養バランスのとれたおいしいものを食べたい主義。

・20代男性
血気盛んな意識高い系男子。カメラが趣味で、美的センスを磨くことはビジネスセンスを磨くことと一緒だと考えている。ネクタイと靴、鞄にお金をかける。スイーツ男子で、オフはスイーツを求めてでかけ、インスタにもアップする。トレンドには敏感。自社にカフェスペースが欲しいと思っている。野菜不足を意識しており、たまに自分で弁当を持ってくる。

・40代女性:コールセンター
とにかく空調が寒すぎて困っている。今回の移転では、空調がちゃんとしていれば特に問題ないとは思っている。強いて言えば、社食はカフェ風にして一人でゆっくり食べたい。連れ立って外に出かけることは苦手。そろそろ本物を持ちたいと考え、アクセサリーと靴は長く持つものを選んでいる。ホットヨガとアロマテラピーが趣味。体型を維持することも、良い仕事をする上で必要だと思っている。

・20代女性:システムエンジニア
おしゃれにはあまり興味はないが、持ち物にはこだわっている。使いやすい上質な鞄には、ノートPCとタブレット、充電器、Kindleが入っている。音楽がないと生きていけない。集中力にムラがあり、一旦スイッチが入ると周りの声が聞こえなくなる。職場環境が如実に仕事に影響する。とにかく、集中とリラックスできる場所が欲しい。

・30代男性
中堅エンジニア。チームをまとめる地位にあるため、コミュニケーション向上を考えたオフィス環境が欲しいと思っている。メガネと鞄とスニーカーにこだわりがある。スニーカーはコレクションでもある。ファッションはシンプルではあるが上質。仕事やアイディアにエネルギーを注ぐために、ファッションをシンプルにした、スティーブン・ジョブズをインスパイア。実はこっそりフリーランスを視野にいれている。

彼らが集まって作り上げたオフィスはどのようなものでしょう。ビルの最上階には、カフェ風のフリースペース、ランチは野菜たっぷりのビュッフェに、夕方以降はバータイム。コーヒーとスイーツはどの時間でも用意されており、記者会見やちょっとしたインタビューも行える。執務スペースは、低いロッカーでグループごとに仕切られ、オープンな雰囲気。ところどころに小さなフリースペースがあり、スタンディングで打ち合わせが可能です。会議室は、様々なタイプがあり、最近の人気はアウトドアスペース。会議室ではでなかったアイディアが、次から次へと出て、ディスカッションが活発になったといいます。

こういったオフィスで仕事をしてみたいものです。

4.素人に見極めができるのか?それともプロに任せるべきか

スタッフの中から適任者を選んでおしゃれなオフィスデザインにしようとしても、素人だけではかなり試行錯誤が必要でしょう。どれだけの費用がかかるのか、どこにコストをかけるべきなのかもわかりません。やはり、快適で、且つトレンドを取り入れたデザインは、プロに頼んだ方が得策ではあります。プロに任せた時のメリットをみてみましょう。

予算に応じた最適な提案を聞くことができる

オフィスのリノベーション、移転には多かれ少なかれコストがかかります。しかし、湯水のようにお金をかけることができないのも事実です。さらに、お金をかければおしゃれで良いものができるとは限りません。プロにオフィスデザインを依頼した場合、予算に応じた様々な提案をしてくれます。できれば、提案からデザイン、内装、施工等をワンストップで行うデザイン会社に依頼することをお勧めします。トータルで提案してもらえるので、予算感が把握しやすく、予想外のコスト発生を避けることができます。

レイアウトに無駄がない

オフィスの第一の目的は、おしゃれ空間であることではありません。仕事をする場であり、1日の大半を過ごす場所であり、生産が行われる場所でもあります。その目的のために、レイアウトに無駄がないことはとても重要です。無駄がないからといって無機質ではなく、一見無駄に見えても実は大きな意味をなしていたり…など、そんなデザインが行えるのがプロというのものです。人が集まるエリアやくつろぐフリースペース、会議室、エントランス、給湯室やトイレなど、リクエスト応じてメリハリをつけたレイアウトとデザインを行います。

業務経験が豊富

オフィスデザイン会社には、様々なオフィスデザインを担ったプロが控えています。企業にとって初めての移転やリノベーション、課題解決でも、オフィスデザイン会社にとってはこれまでの実績の集大成を発揮できる案件となるのです。

オフィスデザイン会社では、トレンドデザインを追うだけではなく、日々様々な業種の企業のデザインを行っています。課題解決のためのコンサルティングを行い、デザインとして形にし、美しく現実化させています。今悩んでいる問題は、同じ業種のどこかの会社が抱えていた問題かもしれません。オフィスデザイン会社には、そんな事例や経験が集まっています。相談することで、様々な事例と経験から最適な解決方法を提示してもらえるでしょう。

居心地のよい空間が創り出せる

おしゃれデザインだけがオフィスデザインのプロの仕事ではありません。快適でおしゃれな空間作り、オフィス作りも大切な役割です。観葉植物を配置する、喫煙者のスペースを確保しつつ、非喫煙者の方がたばこの臭いが気にならないレイアウトを心掛ける、水回りが汚れないようにゴミ処理の導線などを整備する…等々。その気配りは細部にまで及びます。社内の方では通常の業務と平行して行う分、なかなかそこまで気配りを行き届かせるのは大変です。住みやすい家と同様、働きやすい環境を創り上げるのもオフィスデザインのプロフェッショナルの役割なのです。

妥協がない

社内の方がオフィスの立ち上げや引っ越し・模様替えを行うということは、通常の業務と平行する場合がほとんどでしょう。忙しいところにさらにこのデザイン業務が追加されるとなると、やはり「これくらいはまあ、いいか」という妥協の積み重ねが生じてしまいます。

本来なら痛んでいるエントランスの什器を一新したり、床のケーブル類をきちんとまとめたりなど、そういった細かいひとつひとつの作業を見過ごして妥協することで、何となく緊張感のないオフィスが完成します。その状態では、1カ月もすればあっという間に散らかったオフィスになりかねません。

おしゃれなオフィスで、オフィスのブランドを高め、スタッフが快適に過ごせる空間。最適なオフィスデザインに、一切の妥協を許さないのが、オフィスデザインのプロフェッショナルの仕事なのです。

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