オフィスデザイン次第で、新卒の離職を食い止められるのか?

年々上がる新入社員の離職率が社会問題となり、いかに新入社員の社員教育を充実させていくか、頭を悩ませる企業も多いようです。しかし、離職率の高さは「我慢が足りない」今時の新入社員だけの問題でしょうか?もしかするとオフィスそのものに問題が隠れているのかもしれません。そこで今回は、今からできる離職率を下げるオフィスデザインを考察します。

新入社員の離職理由はオフィス環境

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実は、新入社員の3年以内の離職率は、30年前から大きく推移していないことをご存知ですか?

厚生労働省の「学歴別卒業後3年以内離職率の推移」によると、3年以内で離職する新入社員は全体の3割。もっとも離職率が低かったバブル期の2.3割を除くと、3割前後の離職率はあまり変わっていないのです。バブル期は、現在の新入社員の親にあたる世代が就職した頃。「最近の若者は我慢が足りない」という言葉は、自分たちの世代の価値観から出ているのかもしれません。

また、厚生労働省が公表した「平成25年若年者雇用実態調査」によると、離職率の理由のトップは「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」で22.2%。次いで、「人間関係がよくなかった」19.6%、「仕事が自分に合わない」18.8%、「賃金の条件がよくなかった」18.0%となっています。

この結果を受け、多くの企業で「働き方改革」による「労働時間・休日・休暇」等の改善が行われています。また、「人間関係」や「仕事が自分に合わない」などについても、モチベーションを上げる研修や福利厚生の改善を進めている企業もあります。
しかし、労働条件の改善は比較的簡単でも、人の思い込みや性格を変えるということは難しいといいます。企業が考えるトップダウンの研修では、反感を抱かせてしまうことも多いようです。

そこで、労働条件や福利厚生の制度を変えるだけではなく、オフィス環境から社員満足度を上げる企業が増えています。フリースペースの設置や女性社員に配慮したオフィスデザインにすることで、快適さやコミュニケーションの問題を解決しようという試みです。

人間関係の改善にフリースペースは重要

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では、どのようなオフィスデザインが離職率の低下につながるのでしょう。

離職する理由の第2位に「人間関係がよくなかった」とあります。この原因の多くはコミュニケーション不足からきています。新入社員にとってはオフィス内の業務や人間関係の何もかもが初めてでわからなく、オフィスは不安な空間になりがちです。そこにコミュニケーションが円滑ではない環境が加わると、解決できないまま「人間関係がよくない」と判断し、離職へと繋がってしまうのです。

このコミュニケーションの課題を解決するために、フリースペースを設置している企業が増えています。フリースペースで休憩、ミーティングすることで、社員同士や違う部署との交流が高まることが期待されています。

フリースペースは、社員にとっては憩いの場でもあり、ほっと一息つける場所です。そこで集まって話す内容は、業務スペースでは出てこない本音やアイディアがあります。この時間が、ストレスの緩和となり、社員同士のコミュニケーションが円滑となります。

また、デスクをフリーアドレス制など自由度が高いレイアウトにすることで、コミュニケーションを促す方法もあります。フリースペースや斬新なデスクレイアウトを推める企業は自由で開放的な社風であることが多く、新入社員の不安を取り除く効果もあります。オフィス環境を変えることで、離職率を改善することができるのです。

オフィスデザインでやりがいもアップ

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では、モチベーションの問題に対してはどのような工夫ができるでしょう。

「ジョブウェブ 2014年度卒学生 就職活動振り返りアンケート」によると、「社内見学をしたかった」という声が多かったとの結果が出ています。オフィスの環境やデザインは、社員のモチベーションを高めるためにも重要なのです。

モチベーションを上げる大きな要因は、その企業のブランドや理念が反映されたオフィスデザインにあります。エントランスやワークスペースがおしゃれで快適であることは、社員のやりがいにつながるでしょう。最近の新入社員世代は、SNSが生活の一部となっています。機能性だけではないおしゃれなオフィスデザインは、自身の優越感や承認欲求を満たす要因でもあるのです。

また、仕事を続けていくにおいて、「やる気」や「意義」を感じられることは重要です。そこで、ワークスペースやフリースペースに社風やビジョンなどを盛り込んでいる企業があります。

テキスタイルの企画販売を行う三政テキスタイル株式会社では、オフィス自体をショールーム化しています。全体をナチュラルなカフェスタイルにし、シャツや布地がおしゃれにディスプレイされています。対外的にも社内的にもブランドが意識され、モチベーションが上がるデザインです。

BOS Automotive Japan株式会社のオフィスは、オフィス全体を企業のロゴやグラフィックでデザインされています。スタイリッシュにあしらわれたロゴや、壁面いっぱいの広告グラフィックは、クリエイティビティを刺激します。休憩スペースは一転、静かでリラックスできるグリーンを基調とした空間です。業務と休憩のメリハリをつけやすく、生産性が上がるデザインとなっています。

このように、標語や社訓を張り出すような押し付けではなく、楽しくモチベーションを刺激してくれる空間が、社員のやる気を引き出し、自身もこの社風にあった人間に成長したいという意識につながるのです。

現在の新入社員世代は承認欲求が高く、「共感」「認められる」「役に立っている」ことに仕事の意義を感じるといいます。
共感しあえるコミュニケーションを促し、自分が企業や社会に貢献する仕事ができているという実感を持つことができるオフィスデザインは、社員教育や人材育成にも良い効果をもたらすでしょう。

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